少し足りないぐらいでちょうど良い
最近、事業を進める上において、少し資源が足りないと感じる事が多い。
・お金がちょっと足りないな。
・マンパワーがちょっと足りないな。
・専門的なスキルを持った人が足りないな、などなど。
一方で、過去には、
・使えるお金があった時もあった。
・マンパワーがたくさんあった時もあった。
でもなぜか、上手く行かない事も多かった。
もちろん、経験やスキル不足もあったように思うが、今振り返ると、
・お金がたくさんある時は飢餓感がないので、前向きに物事を進めるドライブがかかりにくい。
・人がたくさんいる時は、仕事を作ることが目的化し、本当にやるべきことに注力できなかった。
といった事があったように思う。目的意識が低いと言われるとそれまでだが、実際の所、満ち足りている状態は弊害になる事も多い。
結局の所、少し足りないものがあるからこそ、出来る事や見えてくるものがあるのだと思う。
・少しお金が足りないから、頑張って仕事を獲得しようとする
・少しお金が足りないから、お金がかからない工夫をする
・少し人が足りないから、仕事を作ることを目的化しなくても済む
・少し人が足りないから、効率化して進めようとする
最近は、多くのお金が出るビジネスプランコンテストや助成、ベンチャーキャピタルからの出資等、世の中で新しい事業に取り組む環境は整ってきているように思う。しかし必要がないのに多くのお金を得たり、人を採用してしまう事により、失う事も多い。
特にちょっと上手く行かなくなったときに、固定費が大きいのは致命傷になる。場合によってはスタッフに辞めてもらわないといけないかもしれない。その時に
・実現したい社会へのビジョン(社会にとって良い事をしようとしている)と、
・人に辞めてもらわないといけないほど苦しい目の前の現実(目の前の人に苦難を強いる形になる)
との間で整合性が取れなくなるのである。こうなった時の事業責任者の苦悩は半端ない。事業責任者が、人が良くて、純粋であればあるほど、その葛藤に悩むことになる。
早めにスタッフに辞めてもらう割り切りをしてでも、次のステージに向かえるメンタリティを持っている人は、都度都度、早めに資源を投入して本気の勝負をして、上手くいかなければお金や人を捨てて、撤退すれば良い。
しかし、僕も含めて、そのようなメンタリティを持っていない多くの人は、やっぱりちょっと資源が足りないぐらいでちょうど良いんだと思う。そうでなければ、失敗から立ち直るのに、1年、2年とかかってしまい、結果としてもっと多くのものや時間を失ってしまう。
リスクを取らないという意味ではなく、大切なものや時間を無駄にしないためにも、本気の勝負をするタイミングは本当に慎重に見極めないといけない。
なので、今、お金やマンパワーがが少し足りない現状に対して、むしろ感謝して進めたいと思う。