メモブロ

メモブロです。

新年の志?

今までお世話になってきた尊敬すべき方々に、新しい取組がしっかりと形になるには3年から5年かかるね、と言われた。

運が良かったり、経験値が増す事で期間が短くなる事はあるかもしれないが、そうでなければ、概ねそれぐらいかかるだろう、とのこと。

 

 

新しい事を起こすきっかけとして、既存事業が上手くいかなかったり、方向転換が必要だから、という場合も多いが、そのタイミングでさあ頑張るぞ!となっても、3年も5年も待てない。そういったケースを何度も経験してきた。

これは戦略が良いとか悪いとか言う問題ではなく、戦略が良かったとしても時間がかかるものは時間がかかる。加えて、上手くいかないことが続き、現場のモチベーションが下がっていたりすると、もうお手上げである。僕もそのような逆風のタイミングで乗り切れるかと言えば、全く持って自信がないし、おそらく無理だろうと思う。

既存事業が上手くいっていないタイミングで方向転換をして、上手く行く会社や社長は、きっと、よほど経営能力が高かったり、時流に乗っていたりするのだろう。

 

 

だから、経営的に見れば、ある程度流れに乗っている時に、次の手を打つのは必須である。これは、株式会社であれ、NPOであれ、社会福祉法人であれ基本的には変わらない。現状維持をしようと考えると、組織全体がよどむし、事業運営上は後退しているのと同義ではないかと思う。

 

最近たまたま、過去の有力NPOを時系列に分析した。企業と違って有力NPOはそんなに数が多くないので分析が出来たのだが、ある程度社会的地位が確立し、そこで落ち着いたNPOが再度勢いを増して新しく社会的に価値を出したケースはとても少ない。新しい勢力が台頭して、また一定期間たつと安定して勢いがなくなってしまう事の繰り返しのように見える。

 

そういった事を、冒頭の方々と議論をしたところ、「それは、結局の所、社会に対してそこまで高い志を持てなかった結果なのではないか。社会への志が高ければ、ちょっと地位を確立したぐらいで立ち止まるという状態がそもそも存在しない。」と言われた。

 

 

なるほどと思う。上手くいかない結果を、「事業を立ち上げるタイミングの問題」とみるか、「社会への志が低い」とみるか。同じ結果に対して複数の視点から見る事で、違った景色が見えてくる。

やっぱり上手くいかないと苦しいし、取り組むからには結果を出したい。その時に、事業分析的(タイミングやモデル)に物事をとらえるだけではなく、自分の志についてしっかりと見つめ直す事も、結果を出すには大切なのだと気付かされた。

 

 

自分の志をどこにおくか。今年は、この言葉がキーワードになりそうである。