「都会=人との関係が希薄」は本当か?
田舎は人との関係が深くて、都会は人との関係が希薄だとよく言われます。
実際には土地それぞれでしょうし、それぞれの良さがあると思うので、ここでは対比しません。ただ、最近の実体験として、「都会は人との関係が希薄だ」という言葉に対して、本当にそうなのか?感じる事がありました。
なんか小難しく書いてしまいましたが、周りからみれば、えっ、今さらきづいたの?、という程度の内容なのですが・・・。
我が家がある北摂地域は、大阪のベッドタウンに当たります。さらに、我が家の町内には一戸建てが一軒もなく、住居は全てマンションで、比較的、築年数も新しいです。
東京や大阪の都心など、もっと都会な場所はたくさんありますが、一般的に都会か田舎かで言えば、都会側と言えるでしょう。
僕がこの地域に住んでから8年になりますが、近所付き合いもほとんどなく、同じマンションの住民でも知っている人は数えるほどでした。
さて、そんな我が家ですが、昨年は、めでたく(?)マンションの自治会の役員、今年は管理組合の役員の順番が回ってきました。最近は役員の成り手がいなくて困っているようなのですが、我が家でも最初は、忙しいのに面倒な役が回ってきたなぁ、というぐらいの感覚しかありませんでしたし、適当に済ませて1年を過ごそうと、不届きなことを考えていました。
さて役員になると、案の上、月1回の会議の上に、地域のお祭りや運動会、文化祭、キャンドルロードの準備等々、様々なイベントに駆り出されることになりました。
最初は僕も含め、おそらく多くの住民がしぶしぶ関わっていたと思われるのですが、関わるうちにそれぞれが盛り上がってきました。最初はマンションの夏祭りすら面倒なので止めようかと思っていたぐらいなのですが、いざはじめてみると、
・実施に中立な立場を守ろうとするものの、夏祭りをやりたく仕方がないのが滲み出ている年配の自治会長
・わたがしの作り方を、うれしそうに、物理を交えてこどもに説明する大学の数学の教授
・子供に喜んでもらおうと、風船作りが上手な娘さんを駆り出してきた主婦(娘さんもまんざらではない様子)
・家族総出で花火の打ち上げを手伝ってくれた塾の先生
・後片付けをちゃっかり手伝わされている、住民ですらない、住民の娘婿の警察官
などなど、おそらく普段はほとんど接点がない人同士が盛り上がり、それぞれ出来る事を持ち寄って良いイベントに仕上がりました。
また、家の近所では千里キャンドルロードと言うキャンドルが10万本も飾られる有名なイベントがあります。当日は綺麗なのですが次の日は、道端にろうそくの跡がたくさんこびりついていて、誰かが掃除をする必要があります。
そんな時、
・朝から、道路にへばりついたろうそくのろうを一生懸命清掃する自治会の仲間たち
・その様子をみて、声を掛けてくれる通りすがりの老夫婦
(子ども夫婦のマンションに呼ばれて来たのだが、子ども夫婦が住む町で
住民主体で町を綺麗にする活動がある事に嬉しくなって声を掛けてこられた)
・キャンドルロードは掃除が大変よね、と言いながら、でも綺麗だから1年に
1回やるべき、いやいや3年に1回で十分よ、とあなたどう思うの?と周りを
巻込んで論争しているおばさん達
などなど、色んな光景が繰り広げられます。
まあ、普通と言えば普通の事ばかりなので、今さら気づいたのか!とご指摘を受けそうなのですが、そこから見えてきたのは「人間関係が希薄な都会」ではなく、「確かに存在する地域のつながりには目が向かず、多くのイベントが行われたり、道が綺麗なのは当たり前だとしか感じていなかった自分自身」でした。
正直、地域の役を担うのは面倒かもしれません。でも人生を豊かにしてくれるし、地域は自分たちが作るんだという感覚を持たせてくれます。忙しくても、自分の出来る範囲の中で関われば良いと思うようになりました。
たまたま自分が経験し、感じた事なので、人それぞれケースバイケースだとは思いますが、スレテオタイプに、「都会は人間関係が希薄だ」と叫ぶのではなく、自分が能動的に動けば、見え方や結果は変わる、と言う事なのかな、と思います(きっと、仕事でも同じですね。仕事では偉そうに言いながら、住民としての意識はこの程度です。)
普段からめちゃ無愛想な自分ですが、地域で活動している知らない人にも、「こんにちは。お疲れ様。」からはじめてみようかと・・・(^^;。