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発達障害のある方の支援事業のきっかけ その1

このブログも何とかかんとか4日目。 そろそろ本業の事について。

 

私が所属する株式会社エンカレッジは、発達障害のある方の就労支援を行っています。

現在、JR京都駅前、京都三条、大阪の本町、心斎橋に拠点を構え、約70~80人の発達障害のある方で就職を目指す方の就労支援(=就労移行支援事業所エンカレッジ)を行っています。それ以外に発達障害のある現役大学生約50人に対して、就職に向けた準備支援(=働くチカラプロジェクト)も行っています。

 

本格的に事業を開始したのが、2014年4月ですから、この4月で事業の本格開始から丸2年が経過したことになります。徐々に実績も出来つつあります。

そもそも、なぜこの分野に関心を持ったかと言うと、2011年に、発達障害のあるAさんとの電車の中で会話をしたことに起因します。

Aさんは元々、歯科医をされていたのですが、周囲や患者とのコミュニケーションが上手くいかず、歯科医として仕事をするのをあきらめ、ITや会計といった全く違う分野の勉強をして、障害者雇用枠で働こうとされておられました。しかし、いくら勉強しても、彼が学んだことを活かして採用を考えてくれる企業はなく、出会ったその日も、明らかにAさんに不向きな業務が実習として行われていました。

 

たまたま私はその実習に同席することになり、帰る方向が一緒だったので、どうしても気になって尋ねてみました。

 

「今日の実習はどうでしたか?」

※今振り返ると、発達障害の基本を理解しない、良くない問いかけです(笑)。「何がどうなの?かが分からない^^;」。抽象的ではなく、具体的に尋ねるのが基本です。

 

Aさんは悲観するでもなく、淡々とこう答えてくれました。

「まあ仕方ないですよね。ITや会計を勉強したといっても独学ですから、評価されるレベルではないのかもしれません。それに、こういった向いていない事でもやらないと、社会の中に居場所がないですし。与えられる機会を精一杯活かしたいと思います。」

 

それまで、障害のある方と言うと身体障害のある方か知的障害のある方の印象が中心であり、発達障害のある方(特に高機能自閉症と言われる方々)の事は、業務の様子を見たことはあっても、自分の中にリアリティを持って理解することは出来ていませんでした。それがAさんを通して一人の人間として目の前に浮き上がってきた感覚を覚えました。

※ちなみにこの時のAさんは、特性にあった業務を提供頂ける企業が見つかり、継続してその企業で働いておられます。

 

そこから、発達障害の事について調べたり、聞いたり、自分として何が出来るのか、を考えるようになりました。そして、彼のように、いくら努力しても機会が与えられない人がたくさんいることを知りました。

発達障害のある人というよりは、機会が与えられない若者という捉え方の方が、その時の自分に合っていたかもしれません。内容や背景は違いますが、20代前半、社会に出る事に悩み、もう世界なんてなくなってしまえばよいのに、と不安に思っていた自分の感情を思い出しました。

 

その後、2012年に、発達障害のある学生に特化したインターンシップに取り組むことになるのですが、ここからの展開はまた次回。