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業界に染まったことによる失敗

昨日のブログでは、業界に馴染むための努力は各業界でそんなに違いはないかもしれない、という事を書きましたが、一方で業界の価値観に染まり過ぎて失敗することもありました。

 

20代の時に実施していた経営コンサルティングと言うのは、人が商売道具と言われる通り、自分が商品であるとの意識を強く持っていました。なので、自分のスキルを高めてお客さんに価値を提供する事を必死に考えましたし、何か上手く行かなければ自分でリカバリーをしなければ、との感覚を強く持っていました。その価値観が、業界が変われば思わぬ失敗となってしまう可能性がある例を。

 

エンターテインメント企業に転職して1ヶ月。ある企業A社さんに向けて、当時人気絶頂だったお笑い芸人を起用したモバイルプロモーション企画を提案しました。

先方の担当役員との打合せも盛り上がり、これで行きましょう!とOKが出て意気揚々と会社に戻ってきた後のことです。ライバル会社B社で同時進行でほぼ同じ企画が別ルートで進んでいて、しかも希望するお笑い芸人まで同じ。さらに企画の副題が「ぶっ飛ばせA」・・・。

A社もB社に対してはライバル心があり、引くに引けない状態。もうどうしようもありません。

 

途中の経緯は省略しますが、結局B社の企画が優先されることに。もうどうしてよいか分からず、A社に頭を下げに行ったのを覚えています。それまでは、お客さんに迷惑をかけたら、自分が何とかリカバリーをすることしか頭にありませんでしたが、今回は自分が人気芸人になるわけにも行かず、自分の力だけではどうしようもないことを思い知らされました。

最終的には、上層部同士の話し合いの中で和解し、A社からは別案件で仕事を頂くことになり、関係は壊れなかったのですが、いまだに記憶に残っている案件です。

 

この失敗体験から、自分がやるんだ!と過信し過ぎない事と、事前にきちんと見通しを持ってリスク管理しながら仕事をする大切さを学びました。提案段階で社内にきちんと確認していれば・・・、A社にそのお笑い芸人が使えない可能性がある事をきちんと説明していれば・・・。しかし、当時は、何とか仕事を受注したくて、お客さんにリスクを提示したり、社内確認の事は完全に頭から飛んでしまっていました。

 

とはいえ、今も、過去の経験に懲りず(笑)、リスク管理を考えずにイケイケで仕事をすることも多いです。が、今は社内外にリスクをきちんと提示して頂ける方がいるので、ある意味で安心して(笑)、業界の常識を無視出来ています。感謝!?(念のためですが、最低限はリスクを考えていますので・・・)